先進技術に続々と導入されるOリング。
今や専門用語ばかりでわからないという方は、ここで基本用語をしっかりチェック。
わずかな力で大きく伸び、外力を除くともとに戻る性質(弾性)をもつ架橋反応を必要とする物質。ゴムの木から採取したラテックスから作る天然ゴム、石油などから化学的に合成する合成ゴム、再生ゴムなどがあります。架橋を必要とせず、プラスティックのように成型できるものを熱可塑性エラストマーと呼びます。
Oリングとは、断面がO型(円形)の環状パッキンで、一般に溝に装着し、適度に圧縮させ、油、水、空気、ガスなど、多種多様な流体のシールとして使用します。使い方により固定用、運動用があります。
Oリングは、材質と品番(サイズ)の組み合わせにより一つの製品を表すことができます。
金型の組み合わせ部の隙間から流出した薄いゴムの部分を指します。Oリングのバリ残りが大きいとシール性能に影響が出るため、バリの大きさは、JIS B2408で規定されます。
長時間にわたり圧縮荷重を受けたゴムの永久変形した比率を表します。圧縮永久歪率のことをCSと指す場合もあります。圧縮荷重時は同時に熱をかけるため、圧縮永久歪率が小さければ小さいほど、熱に対する耐性が高いことを示します。森清化工ではJIS K6262;2013に基づき試験を行っています。低温圧縮永久ひずみと混同しないよう注意が必要。
変形を引き起こしている荷重を取り除いた際に、材料が元の形状に戻る性質のこと。戻らない性質を塑性と言います。Oリングは弾性があることで反発力が発生し、シール性を持ちます。
Oリングは通常つぶして使いますので、装着するみぞの深さはOリングの太さより小さく設定されます。この圧縮量をつぶししろといいます。
パーティングラインとは金型の合わせ目にできるスジのことをいいます。Oリングでは内径側と外径側に出ることが一般的です。
選定したOリングが耐油性や耐薬品性で適合せず、Oリングが液体を吸い込んでやわらかく膨らんでしまうこと。
ゴム中には未反応の加硫剤が残っていて、加熱により加硫がさらに進行し、硬さが上昇する場合があります。これを硬化と呼びますが、高温が長時間続くか温度上昇が激しいと、ゴムは急激に硬化して柔軟性を失い、分子結合が破断してクラックが発生し、破損まで至ってしまいます。
(ゴム種によっては、分子鎖の切断が起こり、軟化する場合もあります)
ゴムはオゾンのような酸化力の強い気体でさらされるとゴムポリマー鎖の切断と架橋が進み、劣化(低分子化による強度の低下と硬化による柔軟性の低下)します。劣化が進むと、クラックと呼ばれる「ひび割れ」が表面にできます。ニトリルゴム(NBR)やスチレンゴム(SBR)などのジエン系ゴムはオゾンクラックが発生しやすいため、屋外などの外気に触れる環境でのご使用は避けていただくことをお勧めします。
高圧使用条件下において、Oリングのハミ出し防止に用いられます。
取り付け位置は加圧側の反対側に取り付けします。両方から圧力がかかる場合は、Oリングの両側に取り付けます。
また、はみ出し現象が問題にならない低圧時でもOリングの破損原因のむしれ、捻じれ損傷などの事故を防止して、Oリングの寿命を長くする効果もあります。
材質は皮、ナイロン、硬質ゴム、金属、テフロンなどがありますが、現在はなじみの良いテフロンバックアップリングを多く使用しています。
タイプは3種類あり、エンドレス、バイアスカット、スパイラルがあります。
使用上の効果からエンドレスが最も優れているが、組み込み性からバイアスカット、スパイラルが多く使用されています。
SDSとは、Safety Data Sheetの略で、日本語では製品安全データシートと呼ばれています。化学製品を安全かつ適切に取扱っていただくために、製品に含まれる物質名やその危険有害性情報、取扱い上の注意、環境への影響などに関する情報を記載した資料です。
Restriction of the Use of CertainHazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment EU(欧州連合)が2006年7月1日に施行した有害物質規制。電気電子機器への特定有害物質の含有を禁止するもの。
規制される物質は、Pb(鉛)、Cd(カドミウム)、Cr6+(6価クロム)、Hg(水銀)、PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル)の6物質です。
分子の隙間を通って気体分子が通る性質をガス透過性といいます。逆に透過しにくい性質をガスバリア性ということがあります。ゴムは、弾性を発現するため分子構造がプラスティックのように緻密ではありませんので、一般的にプラスティックよりゴムの方がガス透過性は高くなります。材質によって異なり、無機ガス(N2、O2、Heなど)ならば、ブチルゴム、フッ素ゴムは透過しにくく、シリコンゴムは透過wしやすい材質です。
Oリングの組み込み方法としては、一般的に運動用・円筒面固定用・平面固定用の3種類の固定の仕方があります。
Oリングが正しく装着されていなかったり、摺動面の仕上げ不良やバルブ開閉動作、ピストン運動などが原因でOリングがねじれてしまうこと。場合によっては切断に至ることも。
ゴムは柔らかいため他の材質と擦れた場合、削られて体積が減少します。この削られにくさのことを耐摩耗性と言います。
長時間Oリングを使用しても相手面に張り付かない材質のこと。粘着性が高いとメンテナンスなどでOリングを取り外す際、溝に吸着してしまい外しにくい、Oリングが切れてしまう、切れた部分が溝部に残り異物となってしまうなどの問題が発生する可能性が高くなります。
Oリングの材質の物性及び規格を表すもの。
Oリングの表面にフッ素樹脂等の皮膜を施すこと。滑り性などの向上。
Oリングの太さを表し、Oリング断面の〇の直径のことを指します。別記号「W」「π」などの表現をします。
Oリングの内径を表します。別記号「ID」などの表現をします。
食品衛生法第10条第1項の規定に基づく、食品、添加物等の規格基準第3器具及び容器包装のD器具もしくは容器包装またはこれらの原材料の材質別規格の3の(1)ゴム製の器具(ほ乳器具除く)または容器包装の試験方法のこと。
食品衛生法適合材質 1種A、4種C、4種D、50°シリコン、MK241、EPDM、4275B、MP300B、グレ-EPなどの材質が適合しております。
自動車技術者協会規格のこと。JIS規格より線径、内径の公差が厳しくなっています。
国際標準化機溝規格のこと。
Oリングに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。