国内生産のOリングメーカー【森清化工】
この度、弊社の超高性能製品「Samurai-95」に関する取り組みが評価され、東京商工会議所主催(後援:経済産業省 ほか)「第22回 勇気ある経営大賞」総合部門において優秀賞を受賞いたしました。
本賞は、リスクを恐れず果敢な挑戦を行い、顕著な成果をあげた企業に贈られるものです。厳しい参入障壁が存在する米国市場への挑戦をはじめ、「Samurai-95」の開発・採用に向けた一連の取り組みが評価され、このたびの受賞に至りました。これまでご支援くださった皆様に、心より感謝申し上げます。
かつては「国内実績ゼロ」、そして高すぎる技術の壁を前に社内でも試行錯誤が続いた挑戦でした。私たちがどのようにそのハードルを乗り越え、全米での採用を獲得するに至ったのか。「Samurai-95」誕生と挑戦の軌跡を、ここにご紹介いたします。
2000年当時、次世代エネルギーとして「水素」が注目されるようになり、水素関連施設で使用できるOリングについて、問い合わせが増えていました。求められたのは、高圧環境や急激な減圧といった過酷な条件に耐えられるOリングです。私たちはこうしたニーズに応えるため、厳しい環境下での使用を想定したOリングの開発に取り組みました。しかし、製品を完成させても、すぐに市場に受け入れられたわけではありません。
「採用実績のないメーカーの製品は使えない」
立ちはだかったのは、「実績」という壁でした。実績がないから採用されない。採用されないから実績をつくれない。技術力だけでは越えることのできない大きな課題に直面したのです。
異分野への挑戦で直面した「実績ゼロ」の壁。そして、過酷な急減圧(RGD)試験という高い壁。ゴムの配合をゼロから見直すことは、すべての製造工程を一から再構築することを意味していました。しかし、私たちには既製品の材料に頼らず自ら混ぜ合わせる「自社配合技術」と、これまで数々のお客様の困りごとを解決してきた「現場の加工技術」という強い武器があります。職人集団として、技術部門と製造現場が一丸となった再挑戦が始まりました。
まずは、熟練職人の感覚や経験知を徹底的に言語化・マニュアル化し、品質のばらつきを抑え、安定した生産体制の構築を推進。過去の膨大なデータを記録・分析することで、新製品の開発時にも最適な工程を導き出す体制を整えました。さらに、蓄積した生産データを活用して千葉工場での自動化を実現。常にデータの最適解を探求し続ける体制へと進化を遂げました。
金型への投資を行い、伝統的な職人技に最新システムを融合させた「職人×システムのハイブリッド工場」へと改革。技術と現場が何度も共闘を重ねた結果、生産効率は実に約2.4倍へと飛躍しました。そして迎えた2015年9月21日。3度目の挑戦で、ついに世界水準の厳しい評価試験をクリア。極限環境に耐え抜く超高性能Oリング「Samurai-95」が誕生しました。
Samurai-95は国際規格「ISO 23936-2」および「NORSOK M-710」に規定される急減圧試験(RGD試験)の認証を取得しています。
RGD試験では試験後のOリングを4カ所カットし、それぞれの断面へのクラック(ヒビ)の状態を基準に、0~5までの6段階評価でレーティングします。(例:0010、2245など)
ISOやNORSOKでは、0~3のレートが合格とされ、わずかなクラックならば許容されています。
しかしSamurai-95は4カ所全てにクラックがないことを示す、最高評価の「0000」評価を達成しました。
・急減圧(RGD)対策:高圧環境下での流体制御や設備調整時に生じる、急激な圧力低下によるゴムの損傷(内部破壊)を防止
・極限の温度環境:地層深部の高温・高圧環境に対応
・厳しい薬品環境:一般的なゴムに悪影響を及ぼす流体や薬品に対しても高い耐性を実証
完成した「Samurai-95」を携え、テキサス州やオクラホマ州など、米国の石油掘削関連企業10拠点を訪問しました。高精度・適正価格・短納期という強みに加え、世界水準の厳しい評価試験をクリアした性能と品質を直接伝えた結果、「Samurai-95」は米国市場での採用を実現しました。
かつて「実績がない」という理由で市場に受け入れられなかった私たちにとって、それは本当に大きな転機でした。技術を磨くだけでなく、自ら海を渡り、その価値を伝える。かつて越えられなかった「実績ゼロ」の壁を乗り越え、「Samurai-95」が米国で採用された感動の瞬間でした。
「Samurai-95」の成功は、私たちに大きな財産を残してくれました。それは、「自分たちの技術が世界中で役立っている」という、社員一人ひとりの確かな自信と誇りです。今では宇宙産業をはじめとする最先端分野にも挑戦の幅を広げています。
必ずどこかで、私たちを応援し、必要としてくれる人がいる。それを深く信じることです。
省人化や効率化だけを追い求めるのではなく、「人の可能性を信じるものづくり」を愚直に貫くこと。安定した品質と信頼を積み重ね、困難な課題に実直に取り組み続ける組織でありたいと考えています。
「ものづくり」の伝統を大切にし、挑戦を恐れない。
革新的な製品は、いつの時代も「人」の想いから生まれます。
これからも私たちは、日本の、そして世界の産業を足元から支えるメーカーとして、皆様とともに次の10年へ挑み続けます。
米国市場で認められた超高性能Oリング「Samurai-95」の性能・導入事例について、詳しく知りたい方は下記よりお気軽にお問い合わせください。