Oリングの物性とは
Oリングの物性 Physical Properties

物性とは、その物質が持つ物理的な特性のことを指します。Oリングについて物性を指す場合は、【硬度】【引張り強さ】【伸び率】【100%引張応力】【圧縮永久歪み率】の5項目を数値化して比較するのが一般的です。
これらの項目はOリングの機械特性(外力に対する耐久性)を判断するうえで必要な指標となります。また、硬度以外の4項目を常温環境で測定した結果を常態物性と呼び、劣化を判断する指標になります。
このページでは各項目について解説いたします。
Oリングの硬度 Hardness
硬度は、その名の通りOリングの外力に対しての硬さ、傷つきにくさを表す数値になります。
この値は圧力に対しての耐性に密接に関係しており硬度が高いほどより高圧にも対応できる材質になります。
硬度の値はショアA硬度の値となります。
Oリングの引張強さ Tensile Strength
Oリングの引張強さとは、Oリングが破断するまでにかかる負荷がどのくらいかを数値化したものになります。
この値が大きいほど引き裂きや圧縮といった外力で変形しにくい材質になります。
また耐摩耗性といった剛性にも優れることになります。
ゴムは基本的に熱に弱い性質を持ちますので、温度が高いほど強度は弱くなっていく傾向があります。
Oリングの引張強さ試験規格
JIS K6251:2017 3号ダンベル試験片使用
Oリングの伸び率 Growth Rate
Oリングの伸び率とは、Oリングが伸びる限界値を比率で表した数値です。
この比率が高いほど伸ばしても破断しにくい性質を持つことになります。
引張強さと伸び率は数値的には反比例する傾向があります。
Oリングの伸び率試験規格
JIS K6251:2017 3号ダンベル試験片使用
Oリングの100%引張応力 100% Tensile Stress
Oリングの100%引張応力とは、Oリングを100%伸ばした時に発生する元に戻ろうとする力のことです。
この値が高いほど反発力が高く、シールした際にシールしやすくなります。
伸び率と100%引張応力は反比例する傾向があります。
Oリングの100%引張応力試験
JIS K6251:2017 3号ダンベル試験片使用
圧縮永久歪み率 Compression Set Rate
Oリングの圧縮永久歪み率とは、Oリングを材質ごとに決まった特定の条件でつぶしてから放し、元に戻らなかった部分を比率で表したものです。
この比率が低いほど、一般的にOリングの寿命が長いと判断することができます。
試験条件については各材質の詳細ページに記載しております。