FKM
FKM
FKMとは、フッ素ゴム(フルオロラバー、フルオロエラストマー)のことです。フッ素原子を含むポリマーを主成分とするゴム材料で、ISO1629ではFPMとも呼ばれます。
もともと、米国の化学メーカーであるデュポン社(DuPont de Nemours, Inc.)が開発した新しいエラストマー材料ですが、現在は多くの企業が製造しています。耐熱性と耐薬品性に優れており、これらは化学組成やフッ素含有量、架橋メカニズムによって異なります。
FKMの主な特長は、以下の5点です。
・耐熱性:200℃程度までの耐熱性がある。
・耐油性:鉱油、植物油、動物油、化学薬品などの幅広い油に対して耐油性がある。
・耐薬品性:酸、アルカリ、有機溶剤などの耐薬品性がある。
・耐摩耗性:摩擦による損傷に強い。
・耐候性:紫外線やオゾンの影響を受けにくい。
一方、FKMの欠点となるのは、次の3点です。
・価格が高い:フッ素原子を含むため、他の合成ゴムに比べて原材料価格が高く、製品価格も高い。
・耐寒性が低い:‐20℃程度までの耐寒性しかない。
・加工性が悪い:硬度が高く、成形や加工が難しい。
これらの特徴を生かして、以下の用途に広く使用されています。
・自動車部品:燃料ホース、オイルシール、パッキン、ガスケット、Oリングなど
・航空宇宙部品:タービンシール、ガスケット、Oリング、接着剤など
・化学工業部品:化学プラント、配管、ホース、パッキンなど
・医療機器:人工関節、血管カテーテル、体内用デバイスなど
FKMの種類には、以下のようなものがあります。
・2元系FKM:フッ化ビニリデン(VF2)とフッ化ビニル(VF)を主成分とするFKM。
・3元系FKM:2元系FKMに、フッ化ビニルエーテル(TFE)を添加したFKM。
・4元系FKM:2元系FKMに、フッ化ビニルエチレン(FVE)を添加したFKM。
Oリング製品情報 Product
Oリングを選定する際は使用する環境によって材質を、使用するミゾの寸法によってサイズを選定し、
材質とサイズ両方をお選びいただいたものが製品名になります。