Oリングの特徴は、コンパクト、装着が容易、種類・サイズが豊富で低価格などがあります。
ここでは、Oリングがどこまで圧縮して使用できるのか、交換の目安や保管方法といった取扱い上の注意点についてまとめています。
また、Oリングに関する専門用語についても一覧にまとめました。
基本用語ばかりですから、しっかりチェックしましょう。
Oリングとは
Oリング(オーリング/o-ring)とは文字通りゴムの輪(リング)のことです。断面が「○」であるため、Oリングと呼ばれます。「□」ならば角リング、「X」ならばXリングとなります。
流体(気体、液体)をシール(密封)するための部品で、自動車、油空圧機器、家庭用電化製品、半導体機器などあらゆる分野で使用しています。
使用目的によってOリングの材質が、装置箇所によってOリングのサイズが選定されます。
Oリングの特徴
1
- コンパクト
- Oリングの取付部の形状および構造は、きわめて簡易に設計でき、機器の小型化、軽量化にもなります。
2
- 装着が容易
- Oリングの形状及び装着部分は、極めて簡略化されていますので、取付け、取外しが容易にできます。
3
- 広範囲に使用可能
- 適正なゴム材料を選定することにより、水、油、空気とうはもちろん、各種のガス、薬品にも 安定した密封性を有します。
4
- 種類・サイズが豊富、低価格
- 各種用途に充分こたえる材料が規格化されており、またサイズも豊富にとりそろえていますので入手が容易です。しかも、価格が安価です。
Oリングはどこまで圧縮して使用する?
使用条件にも異なりますが、Oリングの線径に対し、8~30%の圧縮率で使用します。
圧縮率(%)=Oリング線径
-溝深さOリング線径x100
※運動用途では、圧縮率が大きすぎると摺動抵抗が大きくなり、機器への負担の増大やOリングの過大磨耗の原因に繋がりますので注意が必要です。
Oリングの交換の目安
基本的にOリングが著しく変形しているときや著しく変質(硬化、軟化、膨潤など)したとき、Oリング表面にキズ、クラックが入ったときは交換してください。
Oリングの保管方法
Oリングを保管する場合には、次のことにご注意ください。
- Oリングは直射日光のあたらない場所に保管してください(紫外線と熱がゴムの劣化を早めます)。
- 風通しが少なく湿度の低い場所で、湿気やカビなどを避けてOリングを保管してください。
- Oリングは冷暗所に置いてください。
- 高温の熱源に近いところにはOリングを置かないでください(熱によるゴムの劣化を早めます)。
- フック、針金などに引っ掛けたり、ひもに通りしてぶら下げたりしてOリングを保管するのは絶対に避けてください。Oリングに応力がかからないように保管してください。
- Oリングは包装を完全に行ってください(ごみが付着したりキズがついたりするおそれがあります)。
Oリングの取扱い上の注意点
- Oリングを装着するときにシャープエッジやネジ山などによりキズがつかないよう注意し、必要に応じて治具を用いて取り付けてください。
- ピストンをシリンダーに挿入するときには、小孔のエッジでOリングをキズつけてしまうことがあります。
- Oリングを装着するとき、ねじれないように装着してください。
- Oリングとみぞに十分なグリースまたはシール対象液体を塗布すると、Oリングを装着しやすくなります。
- Oリングの再使用は原則としてしないでください。
- Oリングを洗浄液などで洗浄する場合、洗浄液とOリングの材料との相性を確認のうえ行ってください。
- 材料によっては燃焼により有害ガスを発生するものがあります。Oリングの焼却処分はしないでください。
- 食品衛生法に適合していない材料を食品用途には使用しないでください。