
アウトガスとは
一言で表すと、ゴムの中から外に出てくる気体の事です。
弊社のOリングはゴム製ですが、ゴムは柔らかい固体・液体・粉等を練って混ぜたものを金型の中にセットし、熱をかけて化学反応を起こして作ります。身近なもので言うとパンの作り方に似ています。練って仕込んで焼く、という流れです。
このように製作するので、ゴムの中には色々な化学物質が混ざり込んでいます。混ざり込んでいる成分の中にはゴムの内側から外側に出てくるものもあります。これはゴム製品の普通の性質であって、一般的な使用上の問題や人体への害などにはなりません。そしてこれら出てくる成分のうち、加熱時や減圧時に出てくる気体を総称してアウトガスと呼びます。

アウトガスは極微量ですので通常の使用環境では問題となりません。しかし下記のような使用環境においては問題となる場合があります。
例えば、使用環境を不純物のない真空環境にしようとしてもゴムからのアウトガス成分の混入で真空が作りにくくなったり、レンズなどの透明な物体が曇って視界を妨げたりしてしまいます。
シリコーン系のアウトガスは、電子機器の回路などに付着して化学反応を起こした結果、電気の流れに影響を及ぼす場合もあります。
フッ素ゴムとアウトガス
フッ素ゴムは他の材質と比較して少ない材料でできているゴムですので、その分だけアウトガスの発生が更に少ない材質です。真空環境を利用する半導体製造工程や、特殊な環境を用意する研究機関などで使用されています。
フッ素ゴムのアウトガス量について、公的な簡易スクリーニング基準ASTM E-595アウトガス試験TML(質量損失比)と比較したものを掲載いたします。

※掲載しているデータは任意のロットの測定値であり保証値ではありません。
また、繰り返しになりますが、フッ素ゴム以外の材質もアウトガスは極微量ですので、一般的な使用環境や人体には問題ありません。